午前3時のお水取り

7日の夜、三島駅近くで食事を済ませ、各自シャワーを浴びたり、四人でお喋りしたり、TVを見たりで、ビジネスホテルを出たのは、午前2時。
人が来ると思うから、早めに行きましょう、との先輩の提案に従った。
宿から、深夜の町を歩き、三嶋大社のお水場に着いたのが、午前2時15分。
人の姿はない。
ライトが照らされていて、水の沸き出す様はよく見えるが、人の姿は見えない。
私達、四人だけ?!
以前先輩と二人で来た時は、午後6時にお水取りをした。
凄い列で驚いたのだが・・・。
こんな時間だから、無理して来ないのかしらね、先輩Aが言う。
わざわざ、泊りがけで東京からきたんだもの、ご利益あるわよ、先輩Bが言う。
そうよ、一年に一度の日ですもの、でも四人で来てよかったわね、一人でなんてとても恐くて、先輩Cが言う。
何度も他の神社へお水取りに行っている先輩達。
ただくっついて来た私は、ご利益うんぬんよりも、不謹慎かもしれないが、ワクワクするものを感じていた。
深夜の境内。うすぼんやり明るい空。風に揺れる木々。所々に灯る行灯。
祠の後ろの森から、白いものが・・・は出なかったけれど、その場の雰囲気を面白く捉えていた。



三十分過ぎた頃、中年夫婦が現れ、三十代と思われる男性一人がその後に並んだ。
総勢七人。
午前3時になり、私たちは小さな祠にお賽銭を入れ、手を合わせ、お水を戴いた。
重くなった瓶をバッグに仕舞い、神社を後に、来た道をホテルへと戻った。
新聞配達のお兄さんが乗るバイクと、何台かのタクシーと、すれ違った。